リボンの騎士 〜梨華フランツと松フランツ〜


19日の公演で松フランツを見たので、二人のフランツを比較して気付いた点を書き残します。
同じ演出家の元で作り上げられてきたことに疑問を感じるくらい違いましたね。
それぞれの個性があっての「別のフランツ」という事なんでしょうか。
全然違って見えました。
結論から言えば、石川梨華が演じるフランツ王子の方が圧倒的に良かったです。
推しの贔屓目もあるかも知れません。
先に見た方が印象強く残っていて、俺が世界観を作り上げてしまい、違うフランツを受け入れられないのかも。
結論に至った微細な理由はいくらでもあると思います。
でも、冷静に比べて(るつもりになって)考えても「梨華フランツがイイ」んですよね。
2点ほど、松フラにどうしても許せない表現だった所もありますし。
以下、順を追って書きますが、読みたくない人もいると思いますので隠します。


◆オープニング
フランツやらない梨華ちゃんはどこから登場するのかと思ったら、普通に上段にいましたw
松浦さんと並んでます。ダンスの振り幅の違いがはっきりと分かります。
梨華ちゃんは動きが大きい。これは舞台映えしますね。
この時点で「やっぱ梨華ちゃんだよな」と思うも、これ、フランツと関係ないねwww
ていうか、梨華ちゃんは他の誰よりも動きが大きいから。
でもね、これ全体に繋がるんですよ。フランツの時も動きが大きいから。
大きいっていうか、隅々まで意識が行ってるというか・・・
指先、足先までキッチリ演技してるのは松フラより梨華フラでした。



◆台詞回し
なんていうか松浦さんは松浦さんの声で喋ってる。王子の年齢が「少年」くらいに感じられます。
いつもの調子なんですよね。なので、歌とのギャップがヒドイ。
歌の時だけ妙に低音を意識してるように感じてしまいます。
ミュージカルに於いて、歌は台詞同様ですから。出来ることなら調子は揃えて欲しい。
歌の時だけ違うキャラにすら思える箇所もありました。
あとね、全体的に「張りすぎ」です。抑揚付いてても張りすぎてて一本調子に聞こえます。
なんていうか「松浦亜弥」を見せたいのかな?と。



サファイアと踊る直前
淑女達から逃げる途中に亜麻色の髪の乙女とぶつかって、それをきっかけに踊りに誘いますよね。


フランツ「あなたにお願いがあります。(中略)踊って頂けませんか?」
サファイア、躊躇する。
フランツ「不躾な頼みでした。どうぞ行ってください」


この二つの台詞を同じようなトーン、抑揚で言ってしまう松浦さんにガッカリ。
ここって「思わず踊りに誘ってしまったが、躊躇するサファイアを見て我に返る」って感じだと思うんです。
梨華ちゃんはそういう感じでトーンを変えてました。



◆獄中〜あなたに会いたい
見せ場です。梨華ちゃんは投獄されてる時は片膝付いてます。表情も怖いです。
濡れ衣着せられてる憤りみたいなモノがよく伝わってきました。
松フラは片膝付いてなかった。顔もそんなにこわばってなかった。表現力で梨華ちゃんが上回りました。
そして「あなたに会いたい」を歌い上げるシーンです。
どうしても許せなかった1点目がココ。
御存知の通り、梨華ちゃんはここで涙を流します。それを見ちゃってからの松フラです。
どう表現してくるか楽しみでありました。双眼鏡で凝視です。
・・・え?
一瞬、目を疑いました。客席に向かってほんの僅かですが笑顔を見せました。
そういうシーンじゃないでしょ?何を思って歌っていたんだろう、この子は・・・
コンサートじゃないんだから・・・
やっぱ「松浦亜弥」を見せたいんじゃないの? ここで一気に萎えました。



◆戦いのとき
( ^▽^)おおおおおおお お〜おおおおおお お お〜
从‘ 。‘从 おおおおおおお お おおおおおお お お〜


この僅かな違いなんですが、分かりますか?w
松フラは、ブレスが気になりました。ここは高まりと意気込みを表してると思うんですが、切れるのはちょっとね。


その後に登場するトルテュとヌーヴォーから兵の数を聞き、戦いの勝利がより盤石になっていく様子を
「よし。7万の軍になった」「あわせて10万。これでシルバーランドに勝てる」
という、二つの台詞で伝える場面だと思うんですが、松フラは軽く言うんですよね、ここを。
なんていうか「やった!嬉しい!」みたいな感じで、ちょっと女の子っぽいんです
梨華ちゃんは「よし、勝てる」って凄みを増すような感じなんで、偉く違うなあ、と。



そして許せなかった点の2つ目がココです。


フランツ「それから城に火を放つな」
トルテュ「理由は」
フランツ「勝利ののち、我々が活動する拠点にする。…いや。正直に言おう。ある人と約束した」



ここはねぇ、非常に大事なんですよ。
フランツは亜麻色の髪の乙女を思って「城を焼くな」と言うんですが、理由を問われてそれを一旦は隠す。
これは「これが恋とは今でも分からない 分かるのはあなたに会いたい」って心情を表す大事な部分。
でも軍の将として正直に理由を話す。一瞬の迷いの後、やはり正直に「約束」だと話す所。
台本を見ると「…いや。正気に言おう」と書かれていて、「…」で一瞬の迷いを求めていることが分かります。
梨華ちゃんは「城に火を放つな」を凛々しく命令的に言った後、「勝利ののち〜」はちょっと戸惑い気味に、
「…いや、正直に言おう」からは少しトーンを落として、個人的な理由であることを上手く表現してました。
5日に見た時に、ものすごくフランツの心情が伝わってきて震えた場面でした。
俺にとってものすごく大事なシーンだったんです。


それを松フラは・・・サラッと喋りましたorz
ここだけは断言してもイイ。松フラ、間違ってるよ。ここは一本調子で良い場所じゃない。
個性の差とかそういう問題じゃない。ストーリー上、凄く大事な所だから!
ここでもう松フラが許せなくなりました。
これはフランツ王子じゃない。フランツ王子役の松浦亜弥でしか無いんだな、と。



細かい話はこんなところです。
最後に書いたシーン以降は、もう諦めて見てたんでw
最後の山場とかフランツ見てないのwww


別に松浦批判がしたい訳じゃないんですよ。
梨華フランツの時より伝わってくるモノが足りなかったって事実がそこにあるだけ。
俺が見た公演が、たまたまそういう松フラだったのかもしれませんよ?
そして、俺が見てない梨華フラ公演では19日の松フラと大差ない表現のモノもあるのかも知れません。
でも、俺が見た公演ではこれだけの違いがあったんです。
とにかく、見終わった時に「これでは勿体ない」と思ってしまった事は事実。
推しの贔屓目なのかと思えば、知り合いからほぼ賛同して貰えたんでそうじゃないと思います。


なので、圧倒的に「石川梨華演じるフランツ王子が良い」という事になりました。
おしまい。


余談:こうも違いがあるなら、安倍フランツも見たかったorz